西九州新幹線「かもめ」のシートが採用したクッション材の性能
東洋紡の3次元(3D)網状繊維構造体「ブレスエアー」が23日運行開始の西九州新幹線「かもめ」に採用された。自由席車両全シートの座面に使用される。ブレスエアーは製造工程で発生する端材の再利用に取り組んでおり、過去の豊富な採用実績などと合わせて評価され、採用が決まった。
ブレスエアーはウレタンフォームの代替となるクッション材で、東洋紡が1996年に市場投入した。軽量・高反発で耐久性や通気性に優れ、JR東海の東海道新幹線「N700S」やJR西日本の特急「サンダーバード」などのシート座面に採用されてきた。また製造工程で発生する端材や規格外品を回収し、ブレスエアーの原料として再利用するリサイクル技術を確立済み。
ブレスエアーは寝具やオートバイなど向けにも展開しており、ゲーミングチェアなど新規開拓も進める。ブレスエアーの売り上げ目標は非公表。
「かもめ」はJR九州が長崎駅から武雄温泉駅間で運行する新しい新幹線。
日刊工業新聞2022年9月23日