ホンダが100%採用へ、国内生産2輪車にサステナブル材
ホンダは2050年までに国内で生産する2輪車にサステナブル材料を100%採用する方針を固めた。現状はサステナブル材料の大半がアルミニウムと鉄で、重量ベースでは全体の3割にとどまる。バイオマスプラスチックをはじめとする再生可能資源由来の素材などの活用を広げ、環境負荷低減を図る。技術開発を含め、サプライヤーにも対応が求められそうだ。
熊本製作所(熊本県大津町)で生産する2輪車を対象に、再生材と再生可能資源の活用を段階的に広げ、50年に100%を目指す。同拠点はホンダの国内唯一の2輪車生産拠点。マザー工場として海外拠点の技術支援もしている。
特に樹脂に関する検証を進める。再生材については、4輪車のポリプロピレン(PP)製バンパーの廃材をペレットにして2輪車部品に再加工できるかを検討。ホンダが生産した製品のため、配合などを把握するのが比較的容易とみている。まずはシートの底板など樹脂系の内装材に用い、外装部品への展開も視野に入れる。
現在、樹脂粉砕機を導入し、ABS樹脂の材料の3―5%をリサイクルしている。粉砕能力を向上することで、23年3月期は10%を目指す。
またバイオマスプラスチックを採用し、石油の使用量削減を目指す。今後、量産部品で生産、活用できるかを検証する。再生材や再生可能資源はコスト高が課題。ホンダは自社単独の取り組みとともに、日本自動車工業会(自工会)などと連携し、課題解決を図る方針だ。
ホンダは40年代にすべての2輪車でカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現を掲げ、内燃機関の進化にも継続的に取り組みながら、環境戦略の主軸として2輪車の電動化を加速する。ライフサイクルでの環境負荷ゼロを目指し、リソースサーキュレーションも柱の一つに位置付ける。
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日刊工業新聞2022年9月23日