洋上風力の工期半減、清水建設が投入する新型SEP船の全容
清水建設は北海道・石狩湾新港の沖合に建設する国内最大規模の洋上風力発電施設に、10月に完成する自航式の自己昇降式作業台船(SEP船)を投入する。洋上工事で共同企業体(JV)を組む日鉄エンジニアリング(東京都品川区)が基礎を施工した後、2023年6月にも風車の運搬と据え付け工事を始める。従来工法に比べ、工期を半分の2カ月に短縮できる。
清水建設の自航式SEP船は総トン数が約2万8000トンで、クレーンの最大揚重能力は2500トン。高さ約90メートルの支柱と頂部に設置する発電設備、長さ約80メートルのブレード(羽根)3体を一度に搭載して組み立てられるため、支柱を2分割したり港と施工海域を往復したりする必要がある従来工法よりも効率的な施工が可能になるという。
SEP船で施工する「石狩湾新港洋上風力発電施設」は、石狩湾新港から約1600メートル沖合に計画されている。8000キロワットの風車14基と66キロボルトの海底ケーブル約15・5キロメートルで構成され、風車を鋼管トラス構造の基礎で支える「ジャケット式」を採用した。発電容量は11万2000キロワット。事業者はグリーンパワーインベストメント(東京都港区)が設立したグリーンパワー石狩(同)で、23年12月の運転開始を目指す。
日刊工業新聞2022年9月14日