可搬質量最大100kg、川重が実用化するヤギ型4脚歩行ロボット「ベックス」の性能
川崎重工業はヤギ型4脚歩行ロボット「RHP Bex(ベックス)」を2023年度に実用化する方針だ。工場内搬送に加え、サービス業や農業など幅広い用途を想定。当初はリースやサブスクリプション(定額制)型のビジネスモデルを見込む。価格など詳細は今後詰める。
ベックスは搬送ロボットの一種。可搬質量は最大100キログラムと重量物の運搬にも対応。4脚を生かしてタイヤ型の配送ロボットでは難しい段差や障害物を乗り越えられたり、屋外ではぬかるみのある地面を走行できたり整地・不整地を問わず活躍する能力がある。
川重によると「不整地歩行における動物界の王者の異名を持つ(ヤギ属の)アイベックスをモチーフにした」という。外観を変える可能性はあるが、例えば農業では農具や収穫物の運搬などを担え、作業者の負担を軽減できそうだ。
川重はベックスの試作を「2022国際ロボット展」で初披露した。現在、量産品を製作中だ。通常の産業用ロボットでは実施しないという「品評会」を開き、さまざまな関係者との意見交換で得られた助言を適宜、開発に反映する。22年度に実証実験を始める。
日刊工業新聞2022年9月8日