毎秒10ギガビット動作、NECが世界最高水準の宇宙向け光通信機を開発
NECは、宇宙空間で使用する光通信システムとして世界最高水準の毎秒10ギガビット(ギガは10億)で動作する光通信機向けの技術を開発し、その成果を反映した試作機(写真)を製造した。2023年度打ち上げ予定の技術試験衛星9号機(ETS―9)に搭載して、宇宙環境での動作確認が行われる予定。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げた光衛星間通信システム「LUCAS」向けと同様に、1・55マイクロメートル帯(マイクロは100万分の1)を使用。
静止軌道衛星―地上間、静止軌道衛星―低軌道衛星間に相当する約4万キロメートルの長距離システム向けに、最適な誤り訂正符号化技術を採用するなど、受信感度改善のための各種施策を適用した。
また、毎秒10ギガビットという超高速動作領域では開発段階において宇宙環境での動作保証がされた部品が少ないため、地上システム向け光部品および高周波部品の宇宙システムでの適用を目的とした新たな選別手法や実装手法を開発した。
日刊工業新聞2022年9月7日