ローラー重機メーカーが「ドローン教習所」を開校した狙い
酒井重工業は飛行ロボット(ドローン)事業に進出した。埼玉県久喜市の同社研修センター内に、国土交通省無人航空機管理団体であるドローン検定協会の委託を受けて「ドローン教習所久喜校」を開校した。ドローンは土木工事現場で施工の進捗(しんちょく)管理や測量作業に使われるなど、建設業と親和性が高い。ドローン教習を通じて建設業や自治体などとパイプを太くし、主力とする道路工事用機械の営業活動に役立てる考え。将来は自社用にドローンを活用することも検討する。
ドローン教習所は3時間の操縦体験会、2日間の操縦士養成講習と複数のカリキュラムをそろえた。ドローンは2機種で計4機あり、社員出身の教員は3人。操縦士養成の基礎技能講習は座学とシミュレーター操作、実機操作で構成。受講開始時点でドローンの操縦経験がなくても修了時には飛行の許可・承認申請に必要な操縦能力を身に付けられる。ドローン操縦士の資格も取得でき、国交省の飛行許可・申請時の提出書類が一部免除になる特典がある。
ドローンには上空撮影用のカメラも装着している。コマツなどの大手建設機械メーカーや大手ゼネコンは作業効率化のため、ドローンによる測量や施工管理を本格化している。酒井重工業も路面掘削用のロードカッターと上空撮影のドローンを連携させて作業前の人による測量を不要にするなど、作業全体の効率化やスピードアップにつなげる考えだ。
日刊工業新聞2022年9月7日