JAXAが万博で実証、空飛ぶクルマの基本技術とは?
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2025年の大阪・関西万博で空飛ぶクルマ(eVTOL)などの社会実装に必要な基本技術である「運航管理技術」を飛行実証する。実証用に改修したヘリコプターを使って外部から遠隔で自動操縦して、飛行中の飛行ロボット(ドローン)とぶつかることなく自由自在に運航できる様子を公開する。多種の航空機が安全で効率良く運航できる技術を世界に示す。
大阪・関西万博ではJAXAが研究開発を進める遠隔操縦・自律化に対応して混雑する空域を効率的に利用するための技術や、他の機体と情報共有をしながら衝突せずに飛行する技術をヘリコプターで実証する。25年までにこれらの運航管理技術の基盤を形成し、実証実験に使うヘリコプターの設計・改修を進める予定。
大型航空機の場合は飛行計画が事前に分かり、円滑に飛行できる。ヘリコプターなどの小型航空機はパイロットの操縦によってトラブルを回避していることが多い。空域によらず空飛ぶクルマやドローンなどが入り組んだ環境になると、無人航空機との衝突事故などを事前に防ぎ、回避する技術が必要となる。
海外では大きさによって飛行する空域が分かれている。日本では空飛ぶクルマの研究開発が進む中、将来的に複数の機体が空域によらず自由に飛行できる環境整備に向けた研究が進む。大阪・関西万博ではJAXAの運航管理技術を世界に披露し、航空分野の新たな価値観を広めることを狙う。
日刊工業新聞2022年9月1日