国内初のカーボンフリーアンモニア供給網、出光・東ソーなど構築へ
出光興産と東ソー、トクヤマ、日本ゼオンは、2030年までに周南コンビナート(山口県周南市)に国内初のカーボンフリーアンモニア供給網を構築する検討を始めた。現在のアンモニア内需に相当する年100万トン超の供給体制を整備する。燃焼しても二酸化炭素(CO2)を発生しないアンモニアを化石燃料の替わりに使うことで、同コンビナートのCO2排出量を削減する。
今回の取り組みは、経済産業省・資源エネルギー庁の「非化石エネルギー等導入促進対策費補助金」の対象事業に採択され、費用の約3分の1の補助を受ける。総事業費は精査中。出光興産が中東や豪州などを候補にアンモニアを調達。同社徳山事業所の貯蔵施設を輸入基地として整備し、コンビナート内の各社への供給インフラを構築する。また4社は実装置でのアンモニア燃焼実証などを行う。
同コンビナートでは化学原材料や化学品、鉄鋼・セメント・ファインケミカルなどさまざまな素材を生産・供給している。CO2排出量は年1200万トン。いち早くアンモニア供給網を構築し、競争力を高める。
日刊工業新聞2022年8月31日