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高松機械が新稼働、平仮名の工場名に込めた意図

高松機械が新稼働、平仮名の工場名に込めた意図

離れた工場から職場や生産状況を把握できる仕組みを構築

高松機械工業が4月に稼働させた「あさひ工場」(石川県白山市)。所在地の「白山市旭丘(あさひがおか)」を平仮名で表現した名前には、優しさと分かりやすさで、長く親しまれ、愛されるようにとの意図を込めている。その名の通り、この工場には、人と地球に優しいモノづくりをするための設備や仕組みの数々を施している。

例えば、井水を利用した空調システム。通年で温度が安定している井水で、夏季は予冷効果、冬季は予熱効果が得られ、冷暖房にかかる電気の使用量を大幅に削減する。

また、本社工場への移動用に2台の電気自動車(EV)と、充電スポットを備えており、EVで来た顧客の充電も可能にした。

同社は「サステナビリティ基本方針」を掲げている。そして、「サステナビリティを巡る課題に向き合い、これからも持続可能な社会の実現に貢献していく」という高松宗一郎社長のトップコミットメント(企業トップの所信表明)の下、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関するさまざまな取り組みを推進。あさひ工場にこれらの設備を導入したのもその一環だ。

工場間の移動に2台のEVを活用

同工場ではダイバーシティー(働き方の多様性)に関する施策も実施している。コロナ禍以降の“新しい生活様式”に対応するため、ウェブ会議を活用した効率の良い働き方を実践する。あさひ工場と本社間では互いの状況をリアルタイムでチェックできるモニターを利用したシステムを採用し、離れた工場間でも職場や生産の状況をその場で把握できる仕組みを構築した。

また、営業フロアには従業員の座席を自由にするフリーアドレス制を導入。会議室風のテーブルやソファ席といった多彩な座席、自由に配置換え可能なミーティングスペースなどを設け、その日の業務内容に合わせて社員が自由に席を選べる。これにより、社員同士のコミュニケーションの活発化と、業務の柔軟性・発想力の向上を図っている。

日刊工業新聞2022年6月28日

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