EV船をワイヤレスで充電、ダイヘンが開発目指すシステムの仕組み
ダイヘンは関西電力やEV船販売(東京都中央区)など5社と共同で、電気推進(EV)船で水上バス向けの大容量ワイヤレス充電システムの開発・実証を行う。2022年度に出力25キロワットの充電システムを設計・製作し、24年度までに25キロワットを並列接続した同50キロワットで小型化した充電システムの開発を目指す。今回の事業は、大阪府が公募していた「カーボンニュートラル技術開発・実証事業費補助金」に採択された。
陸上交通だけでなく、海運事業でも二酸化炭素(CO2)排出量削減が求められ、EV船の開発は期待されている。ダイヘンなどは将来のEV船普及に備え、インフラのワイヤレス充電システムの確立に取り組む。
技術確立を目指す充電システムは、500メートルほどの距離を頻繁に往復する小型水上船向けで電池容量150キロワット時に対応するものを想定。充電時間短縮のための大電力化、コイル間の位置ずれ許容範囲の広域化、機器の大容量化と小型化の両立を目指す。将来的に国内物流の約4割を占める内航船などを電動化するためのインフラとしても、今回の充電システムを位置付ける。
大阪府ではEV船の実用化について25年の大阪・関西万博へ実装を期待している。
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日刊工業新聞2022年8月25日