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美容クリニック特化SaaS、6億円の資金調達

美容クリニック向けSaaS(サービスとしてのソフトウエア)を手がけるメディカルフォース(東京都渋谷区)はベンチャーキャピタル(VC)のALL STAR SAAS FUNDとANRIから6億円の資金調達を実施した。調達資金でエンジニアや営業人材などを50人ほど採用する。また、導入数を2023年中に360院と現状から3倍以上に増やす計画。

メディカルフォースが展開するのは、美容クリニックなど自由診療向けのオールインワンSaaS。診療の予約や問診、電子カルテなどの日常業務に加え、顧客情報管理(CRM)の機能も備える。また対話アプリケーション「LINE」(ライン)との連携など、患者の利便性を高める機能も追加できる。

従来、美容クリニックでは機能ごとに異なるツールを利用していたため、業務のミスが起きやすかった。同社は複数の機能を一つのソフトウエアに統合することで業務のミスを少なくしつつ、患者の顧客体験を高めることを目指す。

特定の業界に特化するSaaSは「バーティカルSaaS」と呼ばれ、広がりを見せている。機能を業界ごとの商慣習に合わせることで、特定業界の標準システムである「デファクト化」を狙う場合が多い。また、決済機能なども組み込むことで顧客単価を高めることもある。メディカルフォースの顧客単価は平均10万円ほどと他のSaaSサービスと比べても高い。23年中にも決済機能を導入し、美容クリニック向けの標準システムの立ち位置を狙う。

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