100社以上の会社を有するトランスコスモス、グループシナジーの生み出し方
「グループはほぼ主力事業で構成されている」(神谷健志代表取締役副社長執行役員)というトランスコスモス。主力事業の強化と新たな成長のためにグループを拡大してきた。現在、国内外合わせて100社以上のグループ会社を有する。
主力事業はデジタルを活用したマーケティング・販売・顧客接点を総合的に支援する「DECサービス」と各種業務を受託する「BPOサービス」。さらに両サービスを組み合わせ、一気通貫で各種の業務支援できることを競合他社との差別化としている。
グループシナジーに特に力を入れる。専門性の高いグループ企業と連携して、より各業界に合わせた付加価値のあるサービスを提供し、成長につなげる。その一環が、2004年からグループ傘下となった応用技術とのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)総合サービス「to BIM」。これにより、建設業界という新たな顧客を獲得できた。
同社のシステム開発など建設・ゼネコン向けBIM導入支援サービスに、トランスコスモスのBPOサービスを組み合わせた。「BIMを運用するために必要なデジタルデータの整理などを当社のBPOチームが対応する」(神谷トランスコスモス副社長)。同社では建設関連のIT市場を約60兆―70兆円規模と推計しており、さらに応用技術との連携を加速する。
また、Jストリームと製薬業界向けの提案を強化する。同社は、動画配信基盤と米ヴィーバ・システムズの製薬業界向けクラウド型顧客管理情報管理(CRM)システムを組み合わせたサービスを提供。CRMだけでなく、講演会など動画コンテンツ制作・配信支援も行う。マーケティング分野から始めて、応用技術とのサービス提供のような形での展開を模索する。
22年3月期の関係会社売上高は約1266億円と全体の3割を占めるまでになった。再編などを含めて「グループ全体でより成長するために何をすべきか考える時期だ」(同)としている。