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缶チューハイ、今年は“高果汁”で勝負

キリンとサントリー「本物志向」くすぐる
缶チューハイ、今年は“高果汁”で勝負

キリンビール「本搾り」の生産ライン(岡山工場)

 キリンビール、サントリースピリッツの2社が、缶チューハイで2016年は高果汁商品に力を入れる。キリンは「本搾り」ブランド計で前年比約18%増の900万ケース(1ケースは250ミリリットルの24本換算)、サントリーは昨年、発売した「こくしぼり」で同12%増の350万ケースをそれぞれ目指す。サントリーは新ブランドも3月15日に投入する。缶チューハイはビールより価格が安く、若者や女性の人気が高い一方で最近は本物志向も強まっており、高果汁強化で対応する。

 キリンの主力ブランド「氷結」は15年実績で3310万ケース。本搾りはこれに次ぐブランドとして25%や40%の高果汁分を売りに支持層を拡大、年々売り上げが伸びている。

 富士御殿場蒸留所(静岡県御殿場市)に加え、14年から岡山工場でも生産をスタートしている。糖類、香料を使わない自然な味が女性層に受けている。「ビターズ」はほろ苦い味を売りに14年に発売したブランドで、こちらも順調。2月にはシークヮーサー味も発売する。16年度目標は450万ケース。

 サントリー「こくしぼり」も本搾りと同様、高果汁分が売りだ。昨年、登場し初年度で313万ケースを売り上げ、16年は350万ケースに増加を狙う。

 定番に加え、限定発売商品だったブドウやモモを3月から通年販売に変え、上乗せを目指す。主力ブランドの「マイナス196℃」は甘さを抑えた高アルコール度数のストロングゼロを中心に、売り上げ増を図る。

 缶チューハイの市場はキリンとサントリーの2強の構図。アサヒビールは低アルコール飲料分野で、新ブランド投入を検討している。
日刊工業新聞2016年1月15日生活面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
2016年度の税制改正で、チューハイやハイボールが増税になる議論もあったが、酒税の見直しは見送られた。今年の参院選を経て来年はどうなるかわからない(第3のビールも含め)。今年は思いっきり売りたいでしょう。

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