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工作機械工業会、会長が発した今年の受注目標に会場どよめく

世界経済が不透明な中、前年比増加予想の1兆5500億円
 日本工作機械工業会(日工会)の花木義麿会長(オークマ社長)は13日、都内ホテルで開いた賀詞交歓会で、2016年の工作機械の日工会受注目標額を1兆5500億円にしたことを明らかにした。15年は歴代3位の1兆4800億円台に終わったとみられ、世界経済の先行きに不透明感が漂う中での増加目標に、会場は大きくどよめいた。

 国内は6000億円規模、海外は1兆円弱を見通す。実現すれば歴代2位の高水準。15年の受注目標額も1兆5500億円でわずかに未達だったことから、花木会長は「再チャレンジする」と意気込んだ。前年からの増加分は、足踏み状態だった米国が「正常に戻るだろう」と期待する。

カギ握る内需


 工作機械の16年の世界需要を展望する上で、カギとなるのは内需だ。近年、受注高全体の3割程度にとどまっていたが、14―15年の2年連続で高い伸びを示した。15年は受注高全体の4割を占めるに至った。内需を支えるのは老朽化した工作機械の更新需要と補助金などの政府の後押しだ。

 経済産業省が13年に実施した企業の生産設備の保有年数調査(ビンテージ調査)では、導入から20年以上の設備が全体の43%に上った。この水準は現在も「大きく変わっていない」と花木日工会会長(オークマ社長)は指摘する。潜在する更新需要が政府の助成でどれだけ顕在化するかが内需の動向を左右する。
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日刊工業新聞2016年1月14日1面/「深層断面」から一部抜粋
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
中国経済の減速は顕著だが、日本メーカは堅調が続くとみている模様。花木会長は低品質の中国メーカーにとっては淘汰の年になるとの認識を示している。

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