LINE社長「東南ア・中東でトップシェア狙う」
出澤剛社長インタビュー
LINEがアジアで、無料通話・メールのアプリケーション(応用ソフト)事業を拡大する。インドネシアなどの各国に普及させ、さまざまな自社サービスの提供につなげる考えだ。出澤剛社長に海外展開の戦略などを聞いた。
―アプリ「LINE(ライン)」の月間利用者が世界で2億人を超えました。
「対話アプリ分野ではトップシェアを取らないと意味がない。アジアでマーケティング関連の投資を重視しており、緻密な戦略を積み重ねることが重要。また現地対応こそが我々の(サービス品質の)肝だ。通信環境があまり整っていない地域向けのアプリ『LINE・ライト』も提供している。東南アジアや中東各国でトップシェアを取ることがテーマだ」
―定額制の音楽配信サービスの競争が激しくなっています。
「我々のサービスはダウンロード数が860万で、初動としては良かった。楽曲などを友人に送って共有できるが、今後は『曲を聴く』だけではなく、我々ならではの機能を開発していく。音楽を必然性のある形で楽しんでもらうことがカギとなる」
―電子商取引(EC)分野の展開は。
「ECはこれまでメールマガジンなどが重要だったが、スマートフォンへの移行などで効果が薄れつつある。一方、我々のアプリのメッセージ機能とECとは相性が良い。決済サービスなども提供していることにより、差別化できると考えている」
―モノのインターネット(IoT)分野でインテル(東京都千代田区)と連携します。
「IoT時代にはすべてのモノがネットにつながる。ラインは人と人とのコミュニケーションに使われているが、IoTでの情報のやりとりや機器の制御などの際に、ラインの機能を(情報などの入り口である)『ゲートウェイ』という観点で利用する意味は大きい。インテルとはまず、自動販売機のIoT対応に取り組む。IoTは可能性が大きい領域だ」
―収益の拡大も求められます。
「スマホ業界の変化は早いが、月間の売上高が100億円を超えており、堅調に成長している。提供するサービスが大がかりになっているものの、良いペースでサービスを投入できている」
【記者の目/各国市場で問われる競争力】
日本ではライン利用者が非常に多く、さまざまなサービスを提供する上での基盤の役割を果たし、ゲームやEC、決済などの多角化につなげている。こうした事業をアジアでも確立するには、各国の対話アプリ市場でトップシェアを握ることが条件となる。米国や中国の対話アプリの存在感も増す中で、競争力を問われることになる。
(聞き手=孝志勇輔)
―アプリ「LINE(ライン)」の月間利用者が世界で2億人を超えました。
「対話アプリ分野ではトップシェアを取らないと意味がない。アジアでマーケティング関連の投資を重視しており、緻密な戦略を積み重ねることが重要。また現地対応こそが我々の(サービス品質の)肝だ。通信環境があまり整っていない地域向けのアプリ『LINE・ライト』も提供している。東南アジアや中東各国でトップシェアを取ることがテーマだ」
―定額制の音楽配信サービスの競争が激しくなっています。
「我々のサービスはダウンロード数が860万で、初動としては良かった。楽曲などを友人に送って共有できるが、今後は『曲を聴く』だけではなく、我々ならではの機能を開発していく。音楽を必然性のある形で楽しんでもらうことがカギとなる」
―電子商取引(EC)分野の展開は。
「ECはこれまでメールマガジンなどが重要だったが、スマートフォンへの移行などで効果が薄れつつある。一方、我々のアプリのメッセージ機能とECとは相性が良い。決済サービスなども提供していることにより、差別化できると考えている」
―モノのインターネット(IoT)分野でインテル(東京都千代田区)と連携します。
「IoT時代にはすべてのモノがネットにつながる。ラインは人と人とのコミュニケーションに使われているが、IoTでの情報のやりとりや機器の制御などの際に、ラインの機能を(情報などの入り口である)『ゲートウェイ』という観点で利用する意味は大きい。インテルとはまず、自動販売機のIoT対応に取り組む。IoTは可能性が大きい領域だ」
―収益の拡大も求められます。
「スマホ業界の変化は早いが、月間の売上高が100億円を超えており、堅調に成長している。提供するサービスが大がかりになっているものの、良いペースでサービスを投入できている」
【記者の目/各国市場で問われる競争力】
日本ではライン利用者が非常に多く、さまざまなサービスを提供する上での基盤の役割を果たし、ゲームやEC、決済などの多角化につなげている。こうした事業をアジアでも確立するには、各国の対話アプリ市場でトップシェアを握ることが条件となる。米国や中国の対話アプリの存在感も増す中で、競争力を問われることになる。
(聞き手=孝志勇輔)
日刊工業新聞2016年1月13日情報・通信面