ニュースイッチ

「回生電力」蓄電して列車に供給、JR東が世界で初めて超電導技術を生かしたシステム応用

装置軸受に超電導技術
「回生電力」蓄電して列車に供給、JR東が世界で初めて超電導技術を生かしたシステム応用

鉄道用超電導フライホイール蓄電システム(JR東日本提供)

JR東日本は7日、軸受に超電導技術を採用し、ブレーキ時に発生する回生電力を有効活用する「超電導フライホイール蓄電システム」を用い、車両を使う実証試験を8日に始めると発表した。中央本線穴山変電所(山梨県韮崎市)に設置したもので、JR穴山駅付近の下り勾配を走る列車から回生電力を貯蔵し、上り勾配を走る列車に供給。変電所から送電する電力の削減が可能になり、年間14万6000キロワット時の省エネ効果がある。

同システムの鉄道への応用は世界初。深沢祐二社長は「充放電特性やシステムの有効性を検証し、将来の実装を考えたい」と話した。

同システムは、装置内部にある大型のフライホイールローターが回転することで、回生電力エネルギーを運動エネルギーとして貯蔵できる。超電導技術により軸受が非接触になり、メンテナンスコストの削減やエネルギー損失の低減が期待できる。

回生電力エネルギーは通常、架線を経由して他の電車が活用する。しかし、同じ変電所区間に他の列車がいる必要があり、JR東では蓄電池にためる取り組みを進めている。

日刊工業新聞2022年6月8日

編集部のおすすめ