企業や自治体が独自コインを発行できる、みずほ銀行が始める決済サービスの中身
みずほ銀行は、企業が自社の店舗やサービスに限定して利用可能なチャージ型独自コインを発行できる決済サービスの提供を月内に始める。企業のスマートフォンアプリケーション(応用ソフト)に同コインを実装することで、小売業者が消費者に自社ポイントを付与したり、地方自治体が住民に給付金を支給したりできる。消費者向けサービスを手がける複数の大手企業や自治体などが導入を検討しており、2023年度に数百億円の決済を目指す。
新サービス「ハウスコイン」は、特定の経済圏内で決済可能なチャージ型コインサービス。みずほ銀のスマホ送金・決済サービス「Jコインペイ」の決済基盤を用い、複数コインの並立が可能なシステム構成とした。企業、自治体での利用のほか、学校が学生向けに奨励金を付与する際の手段としての利用も見込む。
自社店舗やサービスに限定したポイントを付与できるため、ポイント付与分が自社以外のサービスに流出することを防げる。また、この流出削減分を利用者のインセンティブやユーザー体験の向上などにまわせるようになる。
企業や自治体が自社アプリで決済などの金融サービスを提供する動きが加速しているが、金融サービスを自ら構築するにはコストが高く、導入への障壁となっていた。
みずほ銀は個社ごとのニーズに応じたスマホ決済サービスの設計から運用管理までを一括で担える体制を築き、企業の決済・送金サービスのデジタル変革(DX)化を推進する。
日刊工業新聞2022年6月7日