メタン原料樹脂で車用に新材料、住友化学が開発
住友化学は、メタンを原料として微生物が生産する樹脂を用いて、環境負荷の低い自動車・繊維向け樹脂製品の開発に着手した。世界で初めてメタンを炭素源とする樹脂を開発した米ニューライトテクノロジーズと共同開発する。住友化学は同樹脂を混練し、主要製品のポリプロピレン混練(PPコンパウンド)の開発に取り組む。数年内に発売する。
米ニューライトはメタンをエネルギー源とするメタン資化菌を用いて、メタンを炭素源とする樹脂「エアカーボン」を開発し、2020年から商業プラントを稼働している。同樹脂は、製造時の電力に再生可能エネルギーを用いた場合、ライフサイクル全体の二酸化炭素排出量が大きくマイナスとなるカーボンネガティブ樹脂として第三者機関により認定されている。
住友化学はエアカーボンとPPなどを混練し、従来品と同等品質で環境負荷の低い自動車バンパーや内装材に加え、従来のPPコンパウンドでは難しかった染色が可能な繊維向け材料を開発する。
日刊工業新聞2022年5月31日