NTT業績拡大のカギ…ドコモは組織再編で収益を向上できるか

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NTTドコモの井伊基之社長

NTTドコモの収益向上に期待が高まっている。NTTの2023年3月期連結業績予想(国際会計基準)はNTTデータのシステム開発がけん引役となる一方、ドコモが引き続きNTTグループ全体の営業利益の半分以上を稼ぐ。ドコモは7月に組織再編を予定しており、営業利益ベースで同期に300億円のシナジーを見込む。再編を契機に、同社のコスト削減や営業強化をいかに進められるかが今後のNTTの成長を左右しそうだ。

ドコモは、1月に子会社化した長距離通信事業のNTTコミュニケーションズ(NTTコム)と、情報システム開発のNTTコムウェアを7月に組織統合する。3社統合のシナジーで26年3月期には2000億円の利益創出を目指している。澤田純NTT社長は「映像関係など一部では既にスタートしている。本格的なネットワークの統合、実体的な動きは7月以降」と進捗(しんちょく)状況を説明する。

ドコモ再編の狙いは非通信分野の成長加速だ。同社は、携帯料金の引き下げなどにより主力の個人向け通信市場が頭打ちとなる中、法人事業や、金融・決済をはじめとする「スマートライフ」事業の拡大に注力している。特に法人事業では、組織再編により「モバイルと固定とクラウドを自由に組み合わせて使えるサービスの提供が可能になる」(井伊基之ドコモ社長)など意義が大きい。

こうした融合によって例えば、在宅でもスマートフォンを会社の外線として利用できるサービスを既に開始している。ドコモは26年3月期に両事業を合わせた売上高の比率を50%以上(23年3月期予想は47・7%)とする目標を掲げている。 

NTTコム、NTTコムウェアを含まないドコモの22年3月期の連結業績は売上高が4兆7138億円、営業利益が9279億円と、競合のソフトバンクやKDDIと比べて低い。組織の融合を円滑に行い、稼ぎ頭であるドコモの収益をいかに最大化できるかが、NTTの業績拡大のカギを握りそうだ。

日刊工業新聞2022年5月18日

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