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生産機器メーカーが天然エッセンシャルオイルを手掛ける理由―ラピアス電機

モノづくり拠点の岩手県に自生する樹木活用
生産機器メーカーが天然エッセンシャルオイルを手掛ける理由―ラピアス電機

北東北に自生する樹木100%のエッセンシャルオイル

 ラピアス電機(東京都大田区、福勢慶昭社長、03・5767・4555)は生産ラインの自動化装置、治工具などの設計・製造を手がける。一方、新事業として、国産樹木を原料にしたエッセンシャルオイルの製造販売にも力を入れている。福勢社長に新事業の狙いや今後の計画を聞いた。

―モノづくりに長年携わってきました。
 「1959年に品川区で創業した。スイッチやテレビチューナーなどの組み立てを経て73年に岩手県西根町(現八幡平市)に工場を移転し、ワープロの熱転写式プリンター用リボンカセットなどを生産してきた。こうした技術を生かし、生産装置などを製造している」

―新事業参入のきっかけは何ですか。
 「国内市場の縮小やリーマン・ショックなどの影響が大きい。下請けに依存していては発展が見込めない。当社はモノづくりの拠点が岩手県にあるだけに、地方が豊かになる事業を手がけたいという思いもあった」

―製品の特徴を教えて下さい。
 「北東北の森に自生するクロモジ、ニオイヒバなど5種類の樹木100%のエッセンシャルオイルを天然アロマエッセンスとして提供する。専門家から『中身の濃さが違う』という評価もある」

―関連装置も自社内で製作しました。
 「装置開発の技術をベースに蒸留装置も製作した。最新の検査装置も導入し、品質管理を徹底している。品質へのこだわりをもっと地元に根付かせていきたい」

―どのような事業展開をしますか。
 「15年10月からインターネット販売を始めた。エステサロンや美容院でも販売してもらえるように提案していきたい。今年、5種類の製品を追加するとともに、香りを楽しむためのアロマディフューザーも製品化していきたい。化粧品などに採用してもらえるよう提案していく方針だ」
(文=南東京支局長・渡部敦)
日刊工業新聞2016年1月8日 モノづくり面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
自社の既存リソースをうまく生かしながら、まったく新しい分野に挑戦した好例。販路開拓がカギになりそうです。

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