旅行業界に明るい兆し…コロナ禍3年目「GWの過ごし方」調査の結果
コロナ禍3年目のゴールデンウイーク(GW)期間の予約は堅調―。JTBが実施した調査によると、GW(4月25日―5月5日)期間中に国内旅行へ出かける人数は推定で1600万人と、2021年実績比で約7割増える見込みだ。コロナ禍で低迷を続けた旅行業界にとって、明るい兆しとなりそうだ。
アンケートは3月18―25日にインターネット上で実施。全国15歳以上79歳までの男女2万人に尋ねた。これに加え、各種経済指標、交通機関各社の動き、宿泊施設の予約状況、各種定点意識調査などを参考に、22年のGW期間の国内旅行者数を1600万人と推定した。前年実績比では、68・4%増と大幅に伸びている。
また、国内旅行平均費用の推定は3万4500円となり、前年実績費6・8%増とこちらも堅調だ。
あくまで推定のため単純比較はできないものの、前年のGW期間中は東京都、京都府、大阪府、兵庫県に緊急事態宣言が発出されているなど、全国的に旅行マインドが上向く状態には決してなっていなかった。
22年は3月にまん延防止策が全面解除されるなどしており、「旅行欲が前向きになっている」(JTB)。さらに「5月2日と6日を休みにすれば10連休となり、日の並びもいい」(同)ことも旅行需要を後押ししているようだ。
一方、旅行先を見ると22年は前年より、すべての地域で「域内旅行」の割合が低くなっており、遠方への旅行が増えているという。前年は新型コロナウイルスのワクチン接種も進んでおらず、自家用車などで他人との接触を避けて移動する傾向もあり、近場での旅行が多かった。22年はワクチン接種も進み、遠方への旅行意欲が復活しているようだ。
ただ、国内旅行者数は、過去最高だったコロナ禍前の19年の約2400万人からはまだ3割程度下回る。旅行に行かない理由として、新型コロナが収束していないことを挙げる人は多い。旅行需要が本格的な回復軌道に乗るにはもうしばらく時間がかかりそうだ。