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日立建機が受注開始、5トン級電動ショベルのアピールポイント

日立建機は、欧州市場で5トンクラスの電動ミニショベル「ZX55U―6EB=写真」の受注を6月に始める。国内子会社の日立建機ティエラ(滋賀県甲賀市)が開発した機種で、組み立てて欧州へ輸出する。欧州では2020年に8トンクラスの電動ショベル「ZE85」を投入済みで、累計135台を販売している。8トンに加え、今回5トン機種を投入することで電動ショベルの選択肢を広げ、建設現場のゼロエミッション(排ガスゼロ)化を目指す。

電動ショベルは排ガスを出さず、静音工事ができる利点がある。新機種はこうした長所に加え、バッテリー電源と商用電源を併用でき、必要に応じ長時間使えることと、狭い場所で作業効率の高い後方超小旋回型である点をアピールする。

24年度までに累計50台の販売が目標。価格はディーゼルエンジン車の約4倍と高いが、環境先進国の欧州では補助金などの支援制度が整っていることや、エンジンオイルやフィルター交換が不要でメンテナンスコストや手間を大幅に減らせる利点も顧客に訴求し、売り込みを図る。

電動化については、このほかに有線式の中小型ショベルも日本国内で100台以上を販売済み。日本では今回の新機種は販売しないが、日立建機が国内2カ所に設けている情報通信技術(ICT)対応施工の実演場「ICTデモサイト」に23年以降、実機を展示して認知向上を目指す。


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日刊工業新聞 2022年4月14日

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