ニュースイッチ

フタバ産業社長・吉貴寛良氏/トヨタと連携、DX推進

虎視 勝ち筋探る車部品#08

―自動車の電動化への対応は。
 「(主力のトヨタ自動車向けで)触媒など支給品を除くと排気系部品よりボディー関連部品の売上比率が高い。周囲のイメージほど『マフラーのフタバ』ではない。車体の構造や要求性能の変化を捉え提案できるようにし、電気自動車(EV)でもボディー関連部品を受注したい」

―デジタル変革(DX)の取り組みは。
 「開発設計ではトヨタのリードタイムが短くなっており、モデルベース開発(MBD)の力を付ける必要がある。トヨタの支援を受けつつ、コンピューター利用解析(CAE)の能力などを上げていく。生産ラインの立ち上げ準備ではデジタル技術を生かしてシミュレーションし、工場レイアウトや物流動線を早い段階で検討できるようにする。25年度に開発設計リードタイムや工場の間接工数で従来比半減を目指す」

―車の生産変動の大きい状況が続きます。
 「人員の確保などの課題はあるが、ついていけるだけの構えをしないといけない」

―カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の対応は、二酸化炭素(CO2)排出量の削減目標を30年度に13年度比半減以上を目指します。
 「大変だが30年度目標はなんとか達成したい。しかしカーボンニュートラルは次元の異なる世界だ。個社では対応できない。自動車メーカーなどと連携し、達成へのスキームを作らないといけない」

【記者の目/目指す将来像 具体的に】
 フタバ産業は21年度にカーボンニュートラル、DXといった課題に対応するため、組織体制を整備した。今後、中期経営計画を策定し、事業目標などを示す構え。脱炭素や電動化など激しい事業環境の変化に対し、持続的な成長を実現するためには、フタバ産業が目指すべき将来像をより具体的に示すことが、重要な要素の一つになる。(名古屋・山岸渉)

日刊工業新聞2022年2月10日

編集部のおすすめ