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日本ガイシ社長・小林茂氏/亜鉛二次電池、25年本格化

虎視 勝ち筋探る車部品#07

―生産や需要の現状と今後の見通しは。
 「納期に対する厳しさがある。また災害などの稼働停止に関わるリスクは心配の種だ。中長期的に自動車需要は伸びる。全てが電気自動車(EV)にはならない。EVは充電時間などの課題がある。当社の内燃機関向け製品は30年頃まで需要は底堅いだろう」

―2021年4月の社長就任時、より風通しの良い企業風土にしたいと抱負を述べていました。手応えは。
 「将来、内燃機関は減るので変わらなくてはいけない。そうした中長期ビジョンを従業員に理解してもらうため、リモートでの職場訪問などを実施している。従業員向けアンケートで前向きな回答が返ってきている」

―中長期的に取り組む新規事業で期待する製品は。
 「開発中の亜鉛二次電池はペロブスカイト太陽電池と組み合わせると有望だ。同電池はビルの壁面などに貼れる。亜鉛二次電池は、同電池の電力をビルの中で安全にためられる。需要は25年以降に本格化する」

―コイン型小型リチウムイオン二次電池「エナセラコイン」では耐熱温度を125度Cに高める開発に取り組んでいます。その実現により車載向けで用途拡大が期待できます。
 「良い製品を作るだけでなくマーケティングも考えなくていけない。耐熱温度125度Cを実現したらどんなサービスができるかイメージし、顧客に提案することが重要だ」

【記者の目/大胆な施策打ち出す好機】
 日本ガイシが50年に向けて持続的に成長するために重要なのが、従業員の意識を変えることだ。併せて社内の事業間で連携しやすい風土作り、能動的に顧客に提案できる人材の育成なども求められる。自動車関連や半導体関連分野の業績が好調で経営が盤石な今は、将来に向けて大胆な施策を打ち出す好機でもある。(名古屋・山岸渉)

日刊工業新聞2022年2月9日

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