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5Gはロボット活用にどんな可能性をもたらすか

連載・The ROBOT #02・よりフレキシブルに!5Gで進化するロボット活用方法

国内での商用サービスが始まった5Gネットワークの活用先の一つとして、ロボットが注目されている。5Gによる高速・大容量、低遅延、多数同時接続を活かすことで、ロボットは、より柔軟に活用できるようになる可能性があり、昨今、さまざまな業界および用途で実証実験が進められている。

5Gによって、具体的にどのような取組みが可能になるのか、またどのような課題があるのか、特集2では、製造工場や医薬、農業などでの実証事例、導入事例を元に、5Gを活かしたロボット活用の可能性をレポートする。

3月8日発売のロボット情報誌「The ROBOT」では、各業界の産業用/サービス用ロボットに着目し、さまざまな切り口での技術動向などを探った。ニュースイッチでは「The ROBOT」に掲載した「特集」や「インタビュー」の一部を公開する。

CASE.1 複数メーカーの産業用ロボットを単一ソフトウェアで遠隔操作 ~ORiN協議会、NTTドコモほか

5G通信を産業用ロボットの制御に利用するにあたって課題となるのは、工場の中に存在する複数メーカーのロボットやFA機器を統一的に遠隔コントロールできるかどうかだ。ORiN協議会とNTTドコモなどは、標準ミドルウェアのORiNとドコモのクラウドダイレクトを使用して、ヤマハ発動機とカワダロボティクスの産業用ロボットを5Gで統合制御する実証実験を行った。

産業用ロボットの無線制御化は工場の配線を削減してレイアウトフリーを実現したり、ロボット同士の連携を実現できたりするなどのメリットがあるが、大規模な工場ほどリスク管理などを考慮して複数メーカーのロボットを導入しており、各社のロボットはプロトコルなどが異なるため、それぞれ専用のアプリケーションを使用する必要があるなど、使用にあたって個別の開発・運用が必要な点が問題だった。この課題の解決に向けて、ORiN協議会と同協議会加入企業5社(NTTドコモ、デンソーウェーブ、ヤマハ発動機、カワダロボティクス、オフィスエフエイ・コム)は、5G通信を活用し、複数メーカーの産業用ロボットを統合的に遠隔操作する実証実験を実施した。

実証実験参加団体・企業と役割分担

このプロジェクトは2020年に5Gサービス提供を開始したドコモが、FA分野でのユースケースを創出するためにORiN協議会に提案し実現した。ドコモの5Gを使用した産業用ロボットの遠隔操作実験は日本初となる。

CASE.2 AIエッジロボットの実証を通じて、高度遠隔運用のサービスビジネスを目指す~沖電気工業(OKI)

沖電気工業はAIエッジロボットの開発を通じて、人手を代替するロボットの可能性を探っている。しかし、同社は今のところAIエッジロボットの販売ビジネスを予定していない。高度化するロボットの遠隔運用が多くの課題をかかえていることに注目し、AIエッジロボットの実証を通じて、人とAIが協調した高度遠隔運用サービスシステムの提供を目指す。

国内では以前から少子高齢化による労働力不足の問題が叫ばれてきたが、コロナ禍では必要な人手の手配がさらに難しくなってきている。また、非接触のニーズも高まってきていることから、人手を代替するロボットのニーズは急成長を見せている。

沖電気 ロボット運用の監視画像

サービスロボットへの期待は高いが、人と会話して目的地に案内してくれるロボットや、道のゴミを拾ってくれるような高度なレベルの自律ロボットの登場にはまだ時間がかかりそうだ。また、そうした高度な働きが可能になっても、運用の問題が発生する。

ささいな障害で自律的なロボットはタスクを停止する。最近でいえば、コロナ対策のアルコール台が進路に置かれているだけで動けなくなる。ベンダーやロボットシステムインテグレータは変化する現場に合わせ、動きやスピードの指定、マップの更新などで自律した移動を実現しようとするが、実際の現場の変化にサポートが追い付かない状況だ。

そこで、沖電気工業(以下、OKI)が目指すのは、ロボットと人間が協働する高度な遠隔オペレーションを実現することだ。

さらに詳しい内容はCASE.3~5と合わせて「The ROBOT」で掲載中!

<雑誌紹介>

 雑誌名:ビジネスチャンスが見えるロボット情報誌「The ROBOT」(機械設計2022年4月別冊)
 税込み価格:1,100円

<販売サイト>
 Amazon
 日刊工業新聞ブックストア

<特集目次>
 特集1:ウィズコロナを見据えた新たなロボット需要
 業務・サービスロボットの市場動向を紹介するとともに、医療施設や公共施設、飲食店の現場などでの事例を元に、ロボット活用の新たな方向性を探る。
 特集2:よりフレキシブルに!5Gで進化するロボット活用方法
 製造工場や医薬、農業などでの実証事例、導入事例を元に、5Gを活かしたロボット活用の可能性をレポートする。
 特別企画1:水上・水中ロボット最前線
 水上交通網の構築を目指した自律航行システム、水中における検査や調査のための水中ドローン、生体群制御とロボット技術を活用した水産業の自動化、といった切り口からロボットの新たな活用領域を切り開こうとしている企業の動きを追う。
 特別企画2:これから注目のロボットスタートアップ
 ロボットを活用して、さまざまな社会課題に立ち向かうスタートアップ企業がつぎつぎと生まれている。今後の飛躍が期待できそうなスタートアップ企業のバックグラウンドや起業に至った経緯、技術開発などを通じてその可能性を探っていく。


ビジネスチャンスが見えるロボット情報誌「The ROBOT」(機械設計2022年4月別冊)

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