「コロナ薬」提供急ぐ、MSDが3月までに80万人分納入へ
MSD(東京都千代田区、カイル・タトル社長)は、特例承認された新型コロナウイルスの経口治療薬「ラゲブリオ」(一般名モルヌピラビル)について、3月までに80万人分を日本政府に納入する。
変異株「オミクロン株」の感染者が急増しているため、当初計画を前倒しする。1月に5万人分をすでに納入しており、2月に22万人分、3月に33万人分をそれぞれ納入する予定。
MSDは2021年に、薬事承認後に政府と160万人分の供給契約を結んでいる。12月に20万人分を納入した。その後、2月、3月に各20万人分の合計60万人分を供給する予定だったが、年明けから順次量を増やしており、今回、前倒しで供給する。
カイル・タトル社長は「一日も早く患者さんに届けるため、工場をフル稼働し、増産に努めた。今後も前倒しで出荷する計画だ」としている。
米メルクが開発したモルヌピラビルは新型コロナの軽症から中等症の患者向け飲み薬。ウイルスの増殖を抑え、重症化を防ぐ効果があるとされる。
日刊工業新聞2022年2月17日