ANAHDが大阪駅-関空間を15分で結べる「空飛ぶクルマ」運行へ、次期社長が語ったこと
ANAホールディングス(HD)は、米国新興企業ジョビー・アビエーション(ジョビー、カリフォルニア州)と電動垂直離着陸機「eVTOL」を活用し、日本での新たな運航事業に向けて業務提携する。国内大都市圏を中心とした移動サービスの実現に向け、事業性調査や運航・パイロット訓練、インフラ整備、制度・法規への対応などが検討テーマになる。地上交通との連携では、ジョビーに出資するトヨタ自動車も参加して検討していく。
eVTOLは電動モーターで複数の回転翼を回転させ、垂直離着陸できる小型航空機で、「空飛ぶクルマ」とも呼ばれる。ジョビーが開発するeVTOLは5人乗りで、最大航行距離は約240キロメートル超、最高速度は時速約320キロメートル。都市圏においての移動も想定して設計しているという。
ジョビーのeVTOLを活用することで、例えば自動車では1時間程度かかる大阪駅―関西国際空港間の所要時間を15分以内で結ぶことができるという。4月1日付でANAHDの社長に就任する芝田浩二取締役専務執行役員は「ANAは安全で信頼性の高いフライトを提供してきた70年の経験がある。(今回の)パートナーシップで革新的な輸送手段を日本に導入する最前線に立つことを誇りに思う」とコメントした。ANAでは2025年にも空飛ぶクルマの実用化を視野に入れている。
日刊工業新聞 2022年2月16日