「物流需要の95%カバーできる」可搬重量5kgで40km飛べるドローン投入へ
ACSLは可搬重量が5キログラムで、40キロメートルの長距離を飛べる物流飛行ロボット(ドローン)を年内に開発、投入を目指す。現在、同社の主力機種はそれぞれ2・75キログラム、10キロメートル程度。飛行距離を4倍に伸ばすことで、離島や中山間地などでの物流ドローンの可能性を広げる。ドローンの用途の中でも物流向けは、高齢化や過疎化問題を背景に比較的早く市場が立ち上がるとみており、自治体に拡販する。
飛行距離の大幅延伸は、機体形状をヘリコプター型から固定翼型に変更することを主因に達成する。通常の航空機と同じ形態にすることで揚力が増し、飛行距離を伸ばせる。
物流ドローンの場合、往復を考えると飛行距離が10キロメートルあっても実際に有効な距離は半分以下。中山間地や離島では長い距離を飛ぶ必要があることから、新型機を開発して課題を解消する。
機体の軽量化も図る。可搬重量を5キログラムにするのは「5キログラム運べれば物流需要のほぼ95%はカバーできる」(鷲谷聡之社長)とみているため。ドローン物流を使う場面は限られており、より重い荷物を運ぶ場合はトラックなどを使う方が有利とみている。一方、山間部の場合、道路事情の問題もあるため、複数回ピストン輸送してもトラックより短時間で運ぶこともできる。
日刊工業新聞2022年2月8日