管理職登用で「多様性」順守が66.8%にとどまる。その理由とは?
東京証券取引所は、上場企業に順守を求めるコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)に関し、2021年末までの各社の対応状況を公表した。東証1部に所属する企業のうち、21年6月の指針改訂で新設・改訂した原則の順守率は6―8割台が中心。ただ、管理職登用で女性や外国人など多様性の確保を求める原則を順守したのは全体の66・8%にとどまった。
取締役が持つスキルを明示するよう求める原則の順守率は71・1%。企業は指針を順守しない場合、対外的に理由を説明するよう求められるが、「対応が間に合わなかった」と述べる例が目立った。多くは6月末に集中期を迎える株主総会に向けて準備を進める意向とみられる。
東証は4月の市場再編で新たな最上位区分となるプライム市場に上場する各社に高い水準の企業統治を求める。プライム所属企業の指針順守の状況については今夏に公表する方針だ。
日刊工業新聞2022年1月28日