メッキ密着性5倍、自動車部品に適用させる「フェノール樹脂成形材料」の正体
住友ベークライトが開発
住友ベークライトはメッキとの密着性に優れたフェノール樹脂成形材料「SUMIKON PM―Plamecシリーズ」を開発した。独自の配合設計技術で従来のフェノール樹脂成形材料と比べて約5倍のメッキ密着性を実現した。これまで密着性が課題となっていた自動車部品などへの適用を進め、同材料で年間10億円以上の売上高を目指す。
住友ベークライトは熱可塑性樹脂に比べて耐熱性や耐薬品性などに優れるフェノール樹脂成形材料を手がけている。一方、自動車の軽量化などニーズが多様化する中、メッキと組み合わせるための密着性が課題だった。
それを解消したのがSUMIKON PM―Plamecシリーズで、金属部品を代替すれば20―60%軽量化できる。また寸法精度が高く、加工工数削減などでコスト抑制にもつながる。
自動車部品に要求される強度・剛性を持つ高強度タイプ、高寸法精度を追求した等方性タイプなどをラインアップ。
当面はフェノール樹脂成形材料で展開するが、将来はより高強度で耐衝撃性の高い長繊維熱硬化性樹脂成形材料の開発も視野に入れる。
日刊工業新聞 2022年1月21日