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ブロックチェーンで廃蓄電池リサイクル、事業化目指す伊藤忠の勝算

伊藤忠商事はブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した廃蓄電池のリサイクルに乗り出す。回収した廃蓄電池をリサイクル事業者へ提供し、硫酸コバルトや硫酸ニッケルなどの部材を取り出す。トレーサビリティーを確保した上で国内外の部材メーカーに納入することを検討する。今後1―2年以内での事業化を目指す。

1月から欧州のリサイクル事業者に廃電池を10トン提供し、実証を始める。定置用蓄電池のうち自然災害で水没したものなどを回収し、リサイクルする。将来的には車載電池のリサイクルも視野に入れる。

欧州では電気自動車(EV)・産業用バッテリー関連の規制案として、2030年に一定割合のリサイクル原料を使用することが義務付けられる見通し。改ざんが難しいブロックチェーンで廃電池由来の部材であることを証明し、リサイクル原料として使用しやすくする。

伊藤忠は21年に、モビリティーやリチウムイオン電池のサプライチェーン(供給網)におけるブロックチェーン技術活用を推進する企業連合「モビリティー・オープン・ブロックチェーン・イニシアティブ(MOBI)」に加盟した。今後、MOBIの策定する規格などに沿ったリサイクル事業を行う。中国や米国、日本などでも展開を目指す。

調査会社のグローバルインフォーメーションによると、世界の電池リサイクル市場は2020年時点で約170億ドル(約2兆円)規模に達した。21年から27年中に6%以上の成長率が見込まれるという。

日刊工業新聞2022年1月12日

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