“宇宙版シリコンバレー”目指す北海道、「宇宙港」設置へ策定する行動計画の3本柱
2022年春にもプロジェクトチーム発足
北海道経済連合会は、北海道大樹町で進められている航空宇宙産業基地構想について、2022年春にもプロジェクトチームを発足し、構想実現に向けた具体的アクションプランを策定する。22年内に中部経済連合会と連携する予定。各地で立ち上がる航空宇宙産業集積候補地の一つとして存在感を高める。
プロジェクトチームは道経連が19年にまとめた提言「宇宙産業ビジョン」をたたき台とするアクションプランを策定し、実行に移す。北海道に航空宇宙産業を集積させるため①ロケット射場などインフラ整備(1次産業)②ロケットや衛星の開発製造などモノづくりを地域で行う(2次産業)③打ち上がった衛星からのデータを活用する(3次産業)という3本柱で進める。
これらを連携して相乗効果を生み出す6次産業化を実現し、北海道を“宇宙版シリコンバレー”にしたい考え。中経連と組み、宇宙・航空分野で高い技術力を持つ中部地域の企業を大樹町視察に招致するなど、意見や指導を受ける予定だ。
北海道十勝管内大樹町で進む総合宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」構想では、衛星用ロケット打ち上げ射場2カ所のほか、飛行機と同じように宇宙へ飛び立つスペースプレーン用滑走路(最長3000メートル)も2本建設することを想定する。
4月に運営会社のSPACE COTAN(スペースコタン、北海道大樹町)が発足。23年度には人工衛星用ロケットの射場など一部が完成する予定だ。
日刊工業新聞2021年12月27日