全国鉱工業生産指数、4か月ぶり上昇の要因
経済産業省が公表した地域経済産業動向調査によると、10月の全国鉱工業生産指数(確報値、2015年=100)は前月比1・8%増の91・1となり4カ月ぶりに上昇した。未公表の沖縄を除いた全9地域のうち、関東、東海など2地域で上昇。半導体不足や新型コロナウイルス感染症拡大による東南アジアからの部品調達不足が前月より緩和され、自動車など輸送機械の生産が回復した影響が大きい。
輸送機械は同17・4%増の70・2となり4カ月ぶりに上昇した。関東、東海など6地域で上昇した。半導体不足やコロナの影響による東南アジアからの部品調達停滞といった供給面における制約の改善が寄与した。
電子部品・デバイスは同1・1%減の108・0となり3カ月連続で低下した。低下したのは近畿、東北、北陸など7地域。主に中国など海外スマホメーカー向け部品需要の減少が響いた。
一般機械は同5・4%増の111・7で3カ月ぶりに上昇した。関東、近畿、中国など6地域で上昇。関東と中国は国内外向けショベル系掘削機などの生産が伸びた。近畿は中国や台湾向け半導体製造装置の需要増がけん引した。
先行きは自動車の挽回生産が進む見通しで11月、12月共に上昇を見込む。
日刊工業新聞社2021年12月28日