ソニーCSLが開発、1人で二つの身体を操って卓球するVRシステムが面白い

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パラレルピンポン。真ん中の操作者が2台のロボットアームで2人同時対戦

ソニーコンピュータサイエンス研究所(東京都品川区)の笠原俊一リサーチャーと高田一真リサーチアシスタントらは、1人で二つの身体を操って卓球をする「パラレルピンポン」を開発した。仮想現実(VR)システムで2本のロボットアームを操作し同時に2人と対戦する。ボールの軌道予測や打ち返し動作を技術で支援することでラリーを続ける。将来、1人の人間が複数台のロボットを操る社会での人間の限界や支援のあり方が明らかになる。

2台の卓球台にそれぞれロボットアームを配置して、VR技術で同時に2本のアームを操縦する。高速追跡システムで球の動きを捉えてヘッド・マウント・ディスプレー(HMD)に表示する。球が飛んでくると表示を切り替え、打ち分ける仕組みを採用した。2台の卓球台の映像を重ねるだけでは打ち分けるのが難しかった。

卓球を2台同時に行うと、ゆっくりとしたラリーでも1秒以下で二つのシチュエーションに対応する難しさがある。そのためシステム側で動きを支援するが、それでもロボットアームを自分の身体の延長のように感じてくるという。体験者は二つの身体を操縦する感覚を養える。

1人でラリーすることも可能。卓球を複数の身体状態のテーマとすることで、人間の脳の可塑性や習熟速度、技術による支援の最適な配合などを明らかにする。人間はスマートフォンや人工知能(AI)技術などで、認識や判断などの知的処理の支援には慣れており、複数の身体を持っても対応しやすい。だが身体の動きは難しかった。内閣府の「ムーンショット型研究開発事業」で開発した。

日刊工業新聞2021年12月17日

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