「全固体電池」でルノー・三菱自動車と連携する日産の狙い
日産自動車の内田誠社長は16日、日刊工業新聞の取材に応じ、自社開発を進める全固体電池を仏ルノーや三菱自動車との企業連合(アライアンス)で活用していく考えを示した。日産が開発した運転支援技術を三菱自が搭載しているのと同様、全固体電池を日産が先行して開発し「ニーズに応じてアライアンスで利用できるようにしていく」とした。
日産は11月末に2030年度までの電動化戦略などを示した長期ビジョンを発表した。26年度までに全固体電池の自社開発に1400億円を投じ、24年度までに横浜工場(横浜市神奈川区)にパイロット生産ラインを導入する。ルノー、三菱自と同電池の「先行開発を一緒にやっている」(内田社長)という。
28年度までに量産技術を確立し、同電池を搭載したEVの投入を目指す方針で、3社で活用し、量産効果を引き出す。
また高性能センサー「LiDAR(ライダー)」を使い認識性能を高めた次世代運転支援技術について、内田社長は「ライダー技術を20年代の半ばに導入し、30年に向けすべての量産車への適用を検討する」と述べた。同技術は特定条件下で完全自動運転が可能な「レベル4」の実現に不可欠とみられている。
一方、長期ビジョン実現に向けた部品メーカーとの連携について「これまで5―10年先の方向性を示したことはなかった。サプライヤーと共有し、パートナーとして意思疎通や議論をしていくことが重要だ」との認識を示した。
日刊工業新聞2021年12月17日