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自動車関連工場の環境対応に貢献、廃棄鉱物油を微生物で分解する技術が生まれた!

自動車関連工場の環境対応に貢献、廃棄鉱物油を微生物で分解する技術が生まれた!

来年半ば以降に試作機開発を検討する(愛知県豊田市の工場)

AQUA・J(愛知県豊田市、大橋勇志社長)は名古屋大学などと共同で、自動車関連の工場などで廃棄される鉱物油を微生物で分解する技術の研究開発に着手した。同社の高機能洗浄剤を活用し、まず基礎研究を進め、2022年半ば以降にどんな試作機を開発するか検討する。鉱物油の廃油は、産業廃棄物として処理されるなど環境面で課題がある。そこでAQUA・Jは微生物を活用した技術で解決を図る。

AQUA・Jは名大、名大発ベンチャーのフレンドマイクローブ(名古屋市千種区)と連携して研究開発に取り組む。AQUA・Jは、微生物と酵素で油分の汚れを水と二酸化炭素(CO2)に分解する高機能洗浄剤「アクアレム」などを自動車関連企業に販売してきた。

このアクアレムを活用し、微生物がより活発に分解ができる条件などについて名大を中心に基礎研究に取り組む。名大とフレンドマイクローブは、微生物で動植物油を分解する技術を開発しており、同技術を応用する。主に自動車部品向けの洗浄機を得意とするAQUA・Jが、鉱物油の分解技術を活用できる設備の製作を担う計画だ。

鉱物油の廃油は、産業廃棄物として処理されるなど環境負荷が高い。微生物で油を水とCO2に分解できれば、従来の処理方法と比べてCO2排出量の削減につながるとAQUA・Jはみる。

また同社はカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)や、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献できると期待する。

日刊工業新聞2021年12月15日

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