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IoTのトップランナー自負、KDDIが富士通と5Gで協業の狙い

IoTのトップランナー自負、KDDIが富士通と5Gで協業の狙い

5G事業での協業強化を説明する森専務

KDDIは、第5世代通信(5G)の技術実証とビジネス開発で富士通と協業する。KDDIの5Gと、富士通がエリア限定で展開する「ローカル5G」を連携し、自治体や企業向けに街や施設全体に通信環境を提供。IoT(モノのインターネット)などを用いて個人に最適化したサービスが利用できる社会の実現を目指す。両社の5Gアライアンスに相互に参加し、他のパートナー企業も交えて連携を加速させる。(苦瓜朋子)

「IoTでは20年の実績があり、トップランナーであると自負している」―。森敬一取締役執行役員専務は28日に開いた説明会で、法人事業における自社の強みをこう説明した。現在はコネクテッドカー(つながる車)や電気・ガスのスマートメーターなどを中心に利用されている。2022年度にはIoT累計回線数を3000万回線超に増やす計画だ。法人部門全体の売上高は21年度に前年度比2・3%増の1兆200億円に引き上げる。

KDDIは20年に5Gを用いたビジネス開発で連携する「KDDI5Gビジネス共創アライアンス」を設立し、1000社と協業している。その取り組みの一つとして生まれたのが今回の富士通との提携だ。両社のネットワークを融合し、プラットフォーム(基盤)サービスとして22年度以降に商用化する。オンラインとオフラインが常時つながることで、企業や自治体は利用客の体調に合わせた料理の提案などができるようになる。

他の携帯通信大手も法人事業に注力し、各業界の仲間集めを急いでいる。NTTドコモは21年度末までに5G分野での協業企業数を5000社とする計画。ソフトバンクは製造や運輸などのテーマで企業や自治体と連携するコンソーシアム(共同事業体)を立ち上げた。こうした同業他社に対し、IoTなど自社の強みを生かしつつ、5Gを用いてどれだけ社会課題の解決に貢献できるかが問われる。

日刊工業新聞2021年9月29日

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