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楽天がSDGs目標を達成するために「市場」で発信する情報

楽天がSDGs目標を達成するために「市場」で発信する情報

出店者向けのSDGsに関するワークショップを試験的に実施した

ECでサステナブルな商品提供

楽天グループは、電子商取引(EC)サイト「楽天市場」内に特設ページを設け、サステナブルな商品を紹介している。自然環境やフェアトレード(公正取引)に対する消費者の関心を高め、商品選びの手段の一つにしてもらう考えだ。また、出店者向けに国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関するセミナーも開催している。大手EC事業者として、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に向き合う。

同社は2018年に「アースモール・ウィズ楽天」を提供開始。海洋管理協議会の「MSC」認証や水産養殖管理協議会の「ASC」認証など、環境や社会に配慮した八つの認証取得が確認できた商品を中心に約7万点を紹介している。取扱商品数が当初の10倍に増えたほか、コロナ禍を背景に暮らしを見直す消費者が増加し、売上高も前年比2倍と好調に推移している。

商品を紹介するだけでなく、生産者がどのような課題に向き合っているか、生活の中にサステナブルの視点をどう取り入れるかなどの情報も併せて発信。消費者に身近に感じてもらうことで利用増につなげている。今後は認証取得の有無にとどまらず、脱プラスチックや国産、省エネルギーなど多様な視点を取り入れ、対象商品を拡大する考えだ。

また、19年から出店者向けにSDGsを経営に落とし込むための啓発活動を実施。セミナー参加者の中にはアースモールに出品するために楽天市場を選んだケースもあるといい、ECモールとしての差別化にもつながっている。このほか、セミナー参加を契機に一から勉強し、楽天グループの支援を受けて自社の置かれた環境と課題を認識、整理し、目標策定まで至った出店者も出てくるなど効果が上がっている。

今後は出店者向けの大型イベントで関連セミナーを開催するほか、オンラインセミナーの内容も拡充する。また、「SDGs未来都市」である長野県と協力し、同県内の出店者への啓発活動で連携する計画だ。

オンラインセミナーのご案内

ニュースイッチでは、SDGSに関連したオンラインイベントを開催します。本イベントはSDGsを学ぶための講座ではありません。サステナビリティへの取り組みをレベルアップさせたい方向けの「SDGs実践」ウェビナーです。 「SDGsを経営戦略に落とし込みたい」と感じている方、「SDGsに取り組んでいるが、どうも成果が出ていない」と悩んでいる方の参加も歓迎です。 2030年まで残り9年となりました。コロナ禍からのより良い社会への回復、カーボンニュートラルといった最新状況をふまえ、 SDGsの具体的な取組み方法、企業戦略への落とし込み方など、実践的な内容をご紹介します。ピーター D. ピーダーセン氏に直接アドバイスを受けるコーナーなども設けます。

2021/10/8(金) 14:00 ~ 16:00
<<申し込みはこちらから>>
参加料(書籍代込):¥33,000(税込)
申し込み締切 2021年10月7日(木)12:00
日刊工業新聞2021年9月16日

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