100億円で半導体装置向けの部品生産を倍増するニッパツの狙い
ニッパツは2023年度までに半導体製造装置向け部品の生産能力を倍増する。約100億円を投じて長野県の工場を増強するほか、新棟建設も予定する。26年度には同部品の売上高を現状比約3倍の300億円規模にする考え。足元では半導体の需給が逼迫(ひっぱく)し、自動車業界では半導体不足が起きている。半導体製造装置の世界市場はさらなる活況が予測され、ニッパツは同部品需要の高まりに備える。
宮田工場(長野県宮田村)に投資する。同工場内には新しい生産棟も建設する方針。同工場は「成膜装置用マルチゾーン制御ステージヒータ」や「エッチング装置用溶射付冷却板」と呼ばれる、半導体製造装置に用いる部品を手がける。
ニッパツは19年に半導体需要の拡大を受けて約80億円を投じ、同工場を新設した。需要の急激な高まりを受け同工場は現在、フル稼働状態が続く。
同社の20年度の半導体製造装置向け部品事業の売上高は約100億円。これを今後5年間で300億円程度まで引き上げる。
同社は23年度を目標にした3カ年の中期経営計画を策定したばかりだが、同事業の売り上げ目標が21年度中に超える可能性があるという。
半導体製造装置市場は旺盛だ。半導体業界の国際団体SEMIが7月に公表した半導体製造装置の世界販売額予測によると、21年は20年比34%増の953億ドル、22年は1000億ドルを突破して過去最高を更新する見込み。装置メーカーの増産投資が相次いでいる。
日刊工業新聞2020年9月6日