サンゴ由来の天然鉱物がアトピー症状を改善!?群馬大が発見した「機構」
群馬大学大学院理工学府の板橋英之教授、同大学院医学系研究科の茂木精一郎教授らの研究グループは、サンゴ由来の天然鉱物「サンゴライト」が、アトピー性皮膚炎の症状改善につながることを発見したと発表した。サンゴライトの成分が皮膚からの水分蒸発量を減らし、皮膚のバリアー機能を高めるという。
サンゴライトはマグネシウムを多く含む炭酸塩岩で、群馬大発ベンチャー企業が入浴剤として商品化している。アトピー性皮膚炎の患者13人にサンゴライトを用いた入浴を伴う臨床試験を実施し、効果を実証した。被験者の経表皮水分蒸散量とともに、皮膚の重症度を示す値が半分程度に減少し、アトピー性皮膚炎の改善につながることが分かった。3分以上の入浴で効果があり、軽度のアトピーや老化に伴う肌の疾患の症状改善につながるという。研究結果は日本皮膚免疫アレルギー学会の欧文学会誌の電子版に掲載された。
18日、群馬県庁で開いた記者会見で板橋教授は「カルシウムやマグネシウムのバランスなどミネラル成分が効いている可能性がある」と説明した。
日刊工業新聞2021年8月19日