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星野リゾートが政投銀とホテル・旅館のリニューアルファンド

20億円規模で。「バブル期に建設した施設をマーケットに合ったものに建て替える必要がある」(星野社長)
星野リゾートが政投銀とホテル・旅館のリニューアルファンド

星野佳路社長

 星野リゾート(長野県軽井沢町)と日本政策投資銀行は2日、国内宿泊事業者を支援対象者とした共同運営ファンド「星野リゾート旅館・ホテル運営サポート投資事業有限責任組合」(ホテル旅館リニューアルファンド)を組成することで合意したと発表した。ファンドの規模は総額20億円で、年内の運用開始を目指す。

 事業承継や耐震改修、過小資本などにより事業継続に支障を来す経営課題を抱えている国内宿泊事業者が少なくない。星野リゾートの星野佳路社長は「バブル期に建設した施設をマーケットに合ったものに建て替える必要がある。資金協力だけでは十分ではなく、ノウハウを提供して運営力強化を支援したい」とファンド設立の意義を説明した。

星野社長インタビュー ホテル稼働率で東京と地方の差大きく


日刊工業新聞2015年07月10日付記事から抜粋


  ―訪日外国人の拡大でホテル市場にはどのような影響がありますか。
 「ホテルの稼働率は上がっているが、東京だけが様相が違うという感じで、東京と地方の差は大きい。訪日外国人は増えているものの、日本の国内観光の市場は年間二十数兆円と安定しており、星野リゾートも宿泊客の大半は日本人だ。サービスは日本人に支持されることが大事で、国内の旅行者の満足度を維持することが、訪日外国人の集客にもつながる」

 ―16年に都市型の日本旅館「星のや東京」がオープンします。
 「星野リゾートは世界の大都市に日本旅館を出すというのを目標にしている。80―90年代に日本のホテルが世界に進出したがうまくいかなかった。その反省を生かしたい。世界のどの都市でも、夕食をどの国の料理にするのかという選択肢と同様に、日本の旅館と西洋のホテル、どちらに泊まるかという選択肢はあってしかるべきだ。星のや東京は世界に進出するためのショールームであり、世界に出られるかというステップの場所でもある。ここで勝てなければ、世界には進出できない」

 ―西洋のホテルと日本旅館の違いは。
 「日本旅館の特徴は、セミプライベートであるということ。西洋のホテルは、ロビーやレストランに宿泊客でない人もいるが、日本旅館は宿泊客のみが玄関で靴を脱ぎ、くつろげる。そこが日本旅館の心地よさであり、譲ってはいけない線だと考えている。星のや東京が開業して、浴衣を着て、大手町を歩くようなことがあると面白い」

 ―外国人が気軽に日本旅館に泊まれるようにするには、どうすればよいですか。
 「日本旅館が快適性、機能性で西洋ホテルに負けていないということが大事で、それさえ担保されれば、外国人にも日本旅館が自然に受け入れられると思っている。機能的に足りないところを修正して、変えてはいけないところは変えない」
日刊工業新聞2015年12月3日3面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
この動きは面白い。以前から老舗旅館などに再生ファンドがお金を入れるケースはあったが、老舗ではなくても星野リゾートがノウハを提供することでニーズにあった施設に生まれ変われる。中国企業に買いあさられるのを少しでも防げれば。

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