川崎重工が「4輪バギー」増産へ200億円投資。コロナで需要が拡大の理由
川崎重工業が約200億円を投じて米国現地法人のリンカーン工場(ネブラスカ州)を増強することが明らかになった。4輪バギー車などの組み立てや塗装、溶接ラインを追加するとともに、生産の自動化を進める。鉄道車両も手がけており、将来を見据えて大型投資に踏み切る。新型コロナウイルス感染症の拡大以降、米国ではオフロード系機種をはじめとするレジャー製品の需要が高く、増産の必要性が高まっていた。
米国法人であるカワサキ・モータース・マニュファクチュアリングのリンカーン工場(ネブラスカ州)の強化に向け、今後1年半をめどに設備投資を行う計画。増産規模は明らかにしていない。引き続き需要が堅調に推移するとみて、4輪バギー車やジェットスキーなどの生産効率化を進め、競争力を高める。
新型コロナの感染を防ぎつつ、少人数でも楽しめるレジャーの人気を背景に、川重はレジャー製品がモーターサイクル&エンジン事業の収益を押し上げている。2022年3月期の4輪車やPWC(ジェットスキー)の売上高は前期比6・5%増の1080億円を見込む。事業別では同事業の売上高、営業利益とも最大になる見通し。リンカーン工場で500人規模の増員も併せて検討する。
川重は同事業の製品に加え、鉄道車両も生産している。ニューヨーク市交通局向けの新型地下鉄車両を手がけており、2024年度までに535両を納入する予定。さらにベース契約に付随するオプションがすべて行使されると、生産総数は1612両となる。
こうした状況を踏まえ、従業員を確保する狙いもあるようだ。
日刊工業新聞2021年8月4日