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道路から走行中の電気自動車へ給電は可能か

来年1月から豊橋技科大と大成建設が実証。高速道路での活用などを目指す
道路から走行中の電気自動車へ給電は可能か

超小型EVのワイヤレス給電を実証

 豊橋技術科学大学の大平孝教授と大成建設は2016年1月から、ワイヤレス給電による超小型電気自動車(EV)の走行システムの実証を始める。同大学内に高周波電流を流す専用道路を敷設し、道路から電気を超小型EVにワイヤレスで供給して走行する。走行中に給電できる次世代EVシステムとして開発する。物流施設における無人搬送システムや、高速道路での活用などを目指す。

 超小型EVの走行システムは、13・56メガヘルツの高周波電流を道路下に埋設した金属板に流す。金属板から電界結合方式によりタイヤを構成する補強部材であるスチールベルトに電気を送る。その電気を整流回路で直流にしてモーターに供給し、超小型EVの動力源にする。13・56メガヘルツの高周波は放送や通信に干渉を与えずに利用できる。

 実証は総務省のプロジェクトとして実施する。トヨタ自動車の超小型EV「コムス」を活用。年内に同大学内に30メートル走行できる専用コースを敷設する。16年1月から実証をはじめ、同年3月までに結果をまとめる。

 時速は30キロメートル、伝送効率は80%が目標。専用コースの道路は大成建設が道路工事で培ったノウハウを取り入れたアスファルトを使用する。高周波の電気ロスが少ない特殊なアスファルトを整備し、その下に金属板を埋設する。

 道路から電気を供給するワイヤレス給電では走行中に電気を得られるため、バッテリーが不要になり車両が軽量化できる。実証で採用した電界結合方式は、電磁誘導など他の給電方式に比べて位置ズレに強く、コイルやフェライトなどが不要。異物が近づいても発熱が少ないなどのメリットがある。
日刊工業新聞2015年11月27日 建設・エネルギー面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
敷設には相当なコストが必要だろうし、う~ん、なかなか利用シーンがイメージできない。

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