5倍に伸びる「導電性シート」を実現した構造の秘密

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オーゼティック構造のフレキシブル配線。伸縮性が高い(富山県大提供)

富山県立大学の遠藤洋史准教授らは、リボンのような形を繰り返すオーゼティック構造を用いて5倍に伸びる柔軟導電性シートを開発した。オーゼティック構造の内部に流路を作り込み、液体の金属を満たした。伸ばしたりひねったりしても断線しにくい。肘や肩など大きく変形する部分に身に付けるようなウエアラブルな配線に提案する。

オーゼティック構造はリボンのような基本単位を繰り返し、横に伸ばすと縦に広がる特徴がある。この特徴を利用して大きな変形に耐える柔軟性を実現した。オーゼティック構造の型を3Dプリンターで作り、シリコン注型でシートを作る。流路を上下に分割し、2枚のシリコンシートを貼り合わせることで中空構造を作った。

流路の断面は0・8ミリメートル四方で、壁厚も0・8ミリメートル。全体で2・4ミリメートルの厚みになる。中にガリウム・インジウム系の液体金属を満たして電気伝導性と熱伝導性を持たせた。シリコン自体に2倍程度の伸縮性があるが、オーゼティック構造にすることで5倍に伸びることを確認した。

伸ばすだけでなく、ねじったり、曲げたりする動きにも追従できる。研究室では10センチ×7センチメートルのシートを作製したが、長いシートを作れば包帯のように巻くことができる。成型時に内部の流路を閉じると導通経路を複数埋め込める。液体金属以外の導通性液体に替えるとコストを抑えられる。

研究内容は26―28日にオンラインで開く第70回高分子学会の年次大会で発表する。

日刊工業新聞2021年5月20日

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