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自動運転バスを避難の足に!冠水予測でルート変更

状況に応じルート変更
自動運転バスを避難の足に!冠水予測でルート変更

気象データを使い自動運転バスの走行可能エリアを判定するシステムを開発する。今夏にも実証する

BOLDLY(東京都千代田区、佐治友基社長)は、現地の降雨量や気圧などの気象データを使って、自動運転バスの走行可能エリアを判定するシステムを開発する。ゲリラ豪雨や洪水などで冠水した場所は自動運転車は走れない。状況に応じてルート変更し、避難手段として活用される体制を整える。自動運転バスを地域の足として根付かせるために重要なステップになる。今夏にも茨城県猿島郡境町などの実証実験に導入し開発実証する。

雨量などを計測するセンサー搭載ポールを設置し、自動運転バスの運行管理システムに情報を集める。従来は天気予報の情報程度しかなかったが、実際に計測器を配置して水位などを予測する。これを自動運転バスのルート計画に利用する。

自動運転バスは自家用車をもたない交通弱者の足として期待されている。地域交通として定着すれば、利用者の自動運転バスへの依存度は高くなる。一方で自動運転車両はセンサーや制御、通信システムを積んでおり、水に漬かればショートしてしまう。車両の安全確保と地域の足の確保の両面から走行可能判定は重要だった。

境町などの自動運転バスの実証地域に導入し実用性を確かめる。自動運転バスを運行する交通事業者は冠水しやすい場所などに詳しく、効果的にセンサーを配置できる。

BOLDLYはソフトバンクの子会社。基地局や通信サービスと、自動運転バスの交通事業との相乗効果を出す。センサー搭載ポールの気象データは渋滞予測などに使われていた。

日刊工業新聞2021年5月18日

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