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ムラタセイサク君、海を渡る

村田製作所の人型ロボットがミラノの展示会へ
ムラタセイサク君、海を渡る

ミラノへ派遣される「ムラタセイサク君」

 村田製作所は5月1日に開幕するミラノ国際博覧会に、自転車型ロボット「ムラタセイサク君」を“派遣”する。日本館の展示シーンの一つで、来場者を世界旅行へ案内するアニメーションの主人公として登場。ステージ上での実機によるデモンストレーションも、10月31日までの会期中に毎日数回行う。

 ムラタセイサク君は2005年にデビュー。各種センサーや無線モジュール、電子部品などが搭載され、同社の技術力を訴求している。これまでも展示会のほか、多くの“出張”をこなしてきたが、国際博覧会への出演は今回が初めて。

 宮本隆二執行役員は「自転車で世界を旅するというムラタセイサク君の夢が実現することとなりました」としている。

■ムラタセイサク君
村田製作所による自転車に乗った人型ロボット。身長が50cmで、体重が約5kg。9月29日生まれのてんびん座で、サイクリングが趣味だという。

同社の部品をふんだんに搭載し、倒れずに止まったり障害物を検知したり、坂道走行やS字走行したりできる。

座右の銘は七転び八起き。世界一周が夢だといい、今回のミラノ行きで夢の実現に一歩近づいた形だ。
日刊工業新聞2015年04月13日 電機・電子部品・情報・通信面に加筆修正
政年佐貴惠
政年佐貴惠 Masatoshi Sakie 名古屋支社編集部 記者
ムラタセイサク君のような「自社技術のショーケース」としての人型ロボットは複数ある。ホンダのアシモや日立製作所のEMIEW(エミュー)などだ。しかしこれらは技術力の高さを紹介し、さらなる改良を進めることが主な狙いで、各社はロボットとしてビジネスに利用する考えは持っていない。市場の難しさやコストなどハードルが高いのも重々承知だが、このような高い技術力を持つ日本の企業が、人型ロボットに本気で取り組む!となれば、相当なインパクトとイノベーションが生まれ、次世代ロボットビジネスが広がるのに・・・との思いが捨てきれない。その意味でも、やはりソフトバンクのペッパー商用化はすごい。

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