新入社員よ、覚えておこう。仕事の評価は微分積分で決まる!

一生懸命やってる自分は全然評価をされない…

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5月にもなり、新入社員も入社して早1カ月が過ぎた。実際、働き始めると上司やクライアントに叱られたり、結果を出していく同期を見て未熟さを痛感している方もいるのではなかろうか。手を抜いているのに評価される同僚を横目に、「一生懸命やってる自分は全然評価をされない」と嘆き、「上司は見る目がない」と鬱憤を溜めている方も少なくないのではないだろうか。そこで、どんな人が評価され、どんな人が評価されないのかを私なりの視点で解説する。

大前提として「評価は加点法でも減点法でもなく積分」であるということだ。銀行員や官僚は減点法、ベンチャー企業は加点法などと言うが、基本的に人の評価は積分で決まる。 多くの方が思っている評価は以下のグラフのように表せる。

仕事の納期を横軸に、縦軸には成果をおく。例えば受験では、試験日という横軸(t)、得点という縦軸(q)と置くことができる。そうした場合、限られた時間に好きなように勉強してできるだけ高い得点を獲得するゲームのようなものだ。試験日の時点で1点でも高い点数を取れた人が評価される仕組みで、こつこつ勉強を積み上げても、試験前の1カ月間で追い込んでも、評価には影響せず、あくまでも得点で評価が決まる。

では、この概念のまま仕事にあたると「仕事の評価は納期(t)に少しでも成果(q)が高いこと」と思ってしまう。そこで成果は同じ、もしくは自分のほうが上なのに同僚の方が評価されてて嫌だ、みたいなことが起こるのだ。

一般的には入社して数年は上司から仕事を任されて、それを期日内に仕上げることが多いはず。例えば「5日間で100人分の顧客の手書きアンケートをエクセルに入力してください」と依頼されたら、納期は5日後、成果は100人分の手書きアンケートをエクセルに全部入力することが合格ラインになる。作業の進捗具合は全員、毎日上司に報告する。

この仕事を新入社員Aさん、Bさん、Cさんがそれぞれ受けたとする。Aさんはこつこつ毎日20件ずつ入力しまして、5日後に100件の入力データを上司に提出する。Bさんは序盤に飛ばして1日目に50件。2日目に20件、3,4,5日目に10件ずつ入力して上司に提出。Cさんは1日、2日目は0件、3日目に20件、4日目に30件、5日目に50件を入力と、最後3日間に追い込み提出する。3人の進捗は以下のような推移をたどる。

試験であれば、全員が同じ評価をされるはずだが、仕事だとそうとは限らない。1番評価をされるのはBさん、次はAさん、そして最も評価されないのはCさんだ。そこでCさんは「成果は同じなんだから成果を見て評価すべきだ!」と憤るわけだが、それは学生のときの試験と仕事は評価のルールが変わっている、ということを理解していないからだ。いくら、「評価は公平にロジックに基づいて行う」と説明していたではないかと主張しても、その通り運用されるとは限らないのだ。

Bさんの評価
Cさんの評価

Cさんが評価だと思っているのは納期(t)時点での成果ですが、実際は中央線(今回でいうAさんの進捗ペース)より上下の面積の大きさが各人の評価になる。上の面積が大きければ高く評価され、下の面積が大きければ低く評価されるということだ。

想像してほしいのだが、腹の減ったせっかちな人がラーメン屋に出前を頼んだとする。20分後に持ってきてもらうように依頼し、進捗を報告してもらうことにする。ラーメン屋が最初の10分は何も動きがなく、「あと10分あればなんとかしますから安心してください」と報告してきた。そのとき頼んだ人が「間に合うのか?大丈夫か?お腹へったよ。」と心配になるはずだ。

一方、ラーメン屋が「始めの10分で作って、今バイクに乗りました」との報告をしたとする。頼んだ人が「このペースだったら20分で到着しそうだ」と安心し、好感を持つのはどちらだろうか。もちろん後者の行動の進捗をもらう方ではないだろうか。すなわち、結果的に同じ20分で到着したとしても、ラーメン屋の印象は進捗次第で違ってくる。これがまさに評価は積分たる所以なのだ。

この積分された評価面積を最大にするためには微分的観点が大切。つまり、上司へ報告するときは納期(t)の合格ラインよりも上向きの傾きになっていることを示せると積分面積は大きくなる。もちろん嘘はいけないので、傾きが上向きのときに報告できる環境、または報告のタイミングで上向きの傾きにできればいいわけだ。そうすると、上司の頭の中での積分面積がすごく大きくなり、それがあなたの評価になるのだ。

同じ合格ラインとなっても積分された評価面積が大きければ「もっと大きな仕事を任せても安心」と思われるだろうし、逆に評価面積がマイナスであれば「ギリギリ合格ラインは越えたけど、もっと大きな仕事はまだ早い」と思われるわけだ。

社会人になると報・連・相は大事と言われるが、いい報告というのは微分積分的で表すことができる。これは上司と部下だけでなく、取引先との交渉にも使えるし、夫婦関係にも使えるはずだ。ぜひ様々な人間関係の「報告の場面」で使ってほしい。

(文=日南市マーケティング専門官・田鹿倫基)

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