曖昧な話し言葉にも対応できるAI、飲食店の注文取りで活用へ
ギリア(東京都台東区、清水亮社長)は、シナリオとディープラーニング(深層学習)を組み合わせた対話用人工知能(AI)「ギリアM」を開発した。AIが話す内容は人がシナリオを書き、利用者の問いかけの認識や受け答えなどは深層学習で受ける。技術は完成したため事業モデルを検討する。飲食店の注文取りなど、無人接客システム向けに提案する。
新型AIは料理の説明や注文取りといった型がある程度決まった接客の無人化を想定する。これに先駆け、AI技術に関する説明をする、AIシステムを開発した。清水社長は15万字のシナリオを2日で書いた。AIが話す内容は確実に設定でき、不適切な発言はしないとしている。
AIに質問する利用者の話し言葉は、表現の幅が大きいことから深層学習で処理する。同音異句への対応や曖昧な話し言葉に対応できる。
すし屋など、食材の仕入れなどでメニューが変わる店舗では写真を使ったタブレット式のメニューを毎日更新することに手間がかかる。AIを活用すれば日替わりの部分だけシナリオ内容を変えれば対応できる。また、タッチパネルより音声入力の方が指を画面に接触しないで済む。新型コロナウイルスが収束しても飲食店は人手不足が続くとみて、まず店舗での接客スタッフの人数が抑制できることを提案する。AIシステムで簡単な注文が取れるだけでも売り上げ機会を逃がさないことなどを訴求していく。
小売店や展示会での接客システムとして提案する。
日刊工業新聞2021年4月16日