ハイテック精工が取引先約500社と連携し切削から仕上げまで一括受注
ハイテック精工(千葉市花見川区、熊谷正喜社長)は、同社が前工程や後工程などで持つ約500社とのネットワークを活用した「ハイテック精工全加工サービス」を始めた。切削、熱処理、研削などの加工から、仕上げまで一貫して対応する。同社が窓口となって注文を引き受け、顧客が工程ごとに調達先を探す負担を軽減する。初年度100件、売上高1割増を目指す。
品質や納期など顧客の要望に合わせてハイテック精工が加工先を選定し、完成まで一括管理する。同社は熱処理にかかる費用と、加工先の選定など調整にかかる手数料を受け取る。同社と加工先とのワーク(加工対象物)の受け渡しは既存の配送網を使ってコストを抑えた。
同社は工具や金型、精密部品などの耐久性を向上させる熱処理を中心に手がける。これまで、処理した部材は客先に戻し、さらにその部材の加工を顧客が別の事業者に依頼していた。このため工程ごとに発注業務が分散したり、それぞれと見積書類を交わしたりしなくてはならないといった顧客の負担を軽減しようと、新たなサービスに乗り出した。
熊谷社長は「時間や費用など顧客が抱える調達コストの課題を解消できる」と説明する。一方、「受注の一元化は、営業人員が少ない加工業者への貢献にもなる。製造業を盛り上げるモデルケースにしたい」と強調する。
日刊工業新聞2021年4月14日