25キロの巨大冷凍バターをたった10秒で切断する「フードカッター」
山科精器が発売
山科精器(滋賀県栗東市、大日陽一郎社長)は、製パン・製菓用の大きな冷凍バターやチョコレートなどの切断作業を省力化する「フードカッター=写真」を発売した。パン工場や洋菓子工場などに提案する。昨今の高級食パンブームやネット販売の普及、家庭での内食需要増加に人手不足が重なり、食品工場の自動化ニーズは高い。重労働の切断作業の省人化と時間短縮で、現場の課題解決を後押しする。消費税抜きの価格は約200万円。販売目標は年10台。
バターやチョコレート、マーガリン、チーズなどの切断作業を代替する。卓上型で設置自由度が高く、刃はエア駆動。ボタン操作一つで切断できる。300ミリメートル角(重さ25キログラム)の冷凍バターの場合で1カット当たりの作業時間は約10秒。業務用包丁を使った手作業の場合、男性でも60秒ほどかかるという。
1日当たり300個以上のブロックバターをカットする工場もある。作業時間の短縮に加え、作業者の負担軽減にもつながる。
工作機械で培った技術を応用した。コーティングを施し、バラして洗えるなどの衛生面や、切断対象の食品を置くスライドテーブルで等間隔で切断できるなどの工夫も加えた。
日刊工業新聞2020年3月8日